『時計じかけのオレンジ』では「Cal(カル)=Shit(クソ)」や「Krovvy(クルービー)=Blood(血)」などのナッドサット言葉が登場する。
主人公のアレックスたちドルーグは、ナッドサット言葉を吐きまくるのだ。
最初は何をいってるのかわからなかったが、だんだん理解できてきた。
ナッドサット語はソビエト(ロシア語)混じり
ナッドサット語は『時計じかけのオレンジ』の作者であるアンソニー・バージェス氏が創った言葉である。
主人公のアレックスはナッドサット言葉で、作中を抽象的に表現する。
実はこの「ナッドサット」という言葉は、ロシアに関係していたのだ。
Nadsat とは、ロシア語で「10」を表す数詞接尾辞「ナッツァチ」(‐надцать ‐nadtsatʹ、英語の ‐teen に相当)の翻字である。
(Wikipediaより引用)
『時計じかけのオレンジ』は、社会全体主義に不満をもつ人々をユニークに風刺した作品。
社会全体主義とは、ソビエトの影響がイギリスにまできていたことを指している。
つまり、ソビエトの全体社会主義を風刺していたのであった。
全体社会主義とは共産主義のこと。共産主義はみんな平等。
全体社会主義とは共産主義のことであるが、資本主義の正反対の社会だ。
資本主義は資本をもとに競争が行われる弱肉強食の世界だが、共産主義は皆が平等なのだ。
どれだけ働いても賃金は同じ。
社会こそが正しく、人は虐げられることはなく、平等なのだ。
こういった考えはソビエトで初めて行われていた。
しかし、人々には不満が生まれ爆発してしまったのだ。
社会主義は人間の本能を殺してしまう。
人間は欲深い。
全体主義はどんな労働でも同じ賃金だから、頑張らなくてもいい。
反対に頑張っても報われることがない社会なのだ。
頑張っても報われないのは社会の制度でそう決めているからで、
本質的には、国が人を完全に支配している社会なのだ。
抵抗すれば、「社会全体主義だ!」という言葉で制裁できてしまう。
当時のイギリスでは社会主義が蔓延しようとしていて、若者や大人が規律なく堕落しはじめていたのかもしれない。
どんなに働いても、頑張っても報われることがないため、欲望の満たし先が快楽の方へ向きやすかった。
それは性もあり暴力もある。
『時計じかけのオレンジ』はそんな全体社会主義を批判しているのかもしれない。