過激なタイトルの映画『ファイト・クラブ』。ブラッド・ピットとエドワード・ノートンが送るこの作品は、非常に過激だ。タイトルからは想像しえない、飛んでもなくクレイジーな映画だった。『ファイト・クラブ』の見どころと感想をお伝えしたい。
この映画に向いてる人
『ファイトクラブ』は過激なあらすじ
『ファイトクラブ』は過激な映画だ。映画のポスターでは想像がつかないだろうが、かなり暴力的で、かなりエキゾチックなシーンが多い。名前が現す通り、「闘うシーン」が多いのだが、かなりグロテスクだ。
あらすじ的には、日常生活のストレスから睡眠障害に陥った主人公が、病気を患う人々が精神のより所を求めて参加する「●●な会」で精神安定を求めるシーンから始まる。
彼は次第に、世の中の”物”が歪んで見えるようになり、「1日分の食事、1日分の友達」といった見方をするようになる。機内で出てきたパンも「1日分の食事」、隣に座った人も「1日分の友達」
そんな主人公は、やがてタイラー・ダーテン(ブラッド・ピット)と出会う。彼こそ、日常で不満を抱いた主人公にとって、一番クレイジーな友達だった。
こんな人に観て欲しい!
・日常生活に飽きた人
・ワイルドな生き様が好きな人
・血やグロテスクな表現が大丈夫な人
この映画は非常にクレイジーな作品だ。十分に血やグロシーンに耐えられる人に観て欲しい。
だがストーリーは面白い。このタイラー・ダーデンは何がしたくて何をするんだ?というワクワク感を引き出してくれる。
『ファイトクラブ』の見どころ
私なりに、『ファイトクラブ』の見どころを3つご紹介しよう
タイラー・ダーデンが語りかける生き様「今死んでも良いのか?」
ブラッド・ピット演じるタイラー・ダーデンは、主人公に次々と語りかける。今まで型にハマった生き方を強いられた来た主人公は、タイラー・ダーデンに出会い、本当の自分の姿を取り戻してゆく。
タイラーが時たま放つ言葉の魅力には、ハッと思わされてしまう。例えば・・・『完璧を目指す必要はない。自然に生きろ』とか『あがくのはやめて、流れに身を任せろ』とか
タイラーと共に作った『ファイト・クラブ』と共に、心に眠っていた”生きる”という感覚を呼び覚ます主人公に、どこか共感を覚えることだろう。
タイラー・ダーデンの影響で変わり始める主人公
そんな格言を言うタイラーの影響を受けて、主人公は変わり始める。最初はしがないサラリーマン。自分の個性も発揮できぬ、上司に命令される日々から抜け出し、本当の自分を解放してゆく。
しかし・・・主人公は、あまりにも違和感のあるタイラーの計画に猜疑心をも抱き始める。それが「メイヘム計画」。タイラーが計画したものだが、ルール①が<質問するな>だ。タイラーしかわからないプロジェクト、そして増える仲間。仲間が引き起こす事件に主人公は驚きを隠せなくなる。
どん底の女・マーラがもたらすもの
『ファイトクラブ』では、有名な女優ヘレナ・ボナム=カーターが演じるマーラという女性もカギだ。彼女も、主人公と同じようにはじめは病の人が集まる会に参加し、精神を落ち着かせていた。そんな彼女だが、次第に主人公、タイラーのもとへ来るようになる。
主人公はマーラを”こんな女”と毛嫌いしているが、タイラーは彼女を受け入れて「スポーツ・セッ〇〇」だと表現していた。なぜ、マーラは見ず知らずのタイラーに身を委ねたのか?
なぜ彼女はタイラーのもとへ来るのか、主人公はわからないまま物語が進んでゆく。
主人公が名乗らない意外な仕掛け
最後に、この映画を観ている途中であることに気づく。ネタバレになるので、気になる人は本編を見ていただきたいが。
それは「主人公が決して名乗らない」ところだ。常に「僕は」という視点なのだ。これがどういうことを意味しているのか?
他にも不可解なシーンがいくつも出てくる。それも物語の後半で徐々に明らかになってゆく。
「この映画は何を伝えたいのか?」気になる巧みなストーリー展開に、視聴者はあっと驚くだろう。主人公とタイラー・ダーテンの二人の間に何が?そして「ファイトクラブの本質」は?マーラとの関係はどうなるのか?
意外と謎の多い映画だった。