鈴木財閥が秘密裏に保有していたメモリアルエッグ。これを盗むと怪盗キッドから一枚の手紙が送られる。そこには謎の暗号が。メモリアルエッグ(インペリアル・イースター・エッグ)を狙う4人の人物、コナンたちを襲う怪しい影。映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』に登場する「世紀末の魔術師」が残したものとは一体何なのか!?
世紀末の魔術師がニコライ二世に贈ろうとしたインペリアル・イースター・エッグの本当の意味とは!?
怪盗キッドはメモリアルエッグを誰が作ったのか知っていた!?
鈴木財閥によって発見されたメモリアルエッグ(通称:インペリアル・イースター・エッグ)。早速盗もうと怪盗キッドが挑戦状を送りつける。
黄昏の獅子から暁の乙女へ
秒針のない時計が12番目の文字を刻む時
光る天の楼閣から
メモリーズエッグをいただきに参上する
世紀末の魔術師より
キッドの挑戦状だ。これを知った警察は、7月23日〜8月2日(獅子座)、8月23日〜9月22日(乙女座)の間のつまり8月23日、12番目の文字「L」、つまり夜明け(暁)の3時(L)に、怪盗キッドは天守閣(光る天の楼閣)から狙うと見立てる。(もちろん違うわけだが。)
誰も「世紀末の魔術師」という差出人には目をつけなかった。コナンだけはひっかっかっていた。なにせ、Lが時計の3時の形をしているとはいえ、夜明けなのか?という疑問が残る。
怪盗キッドは、ロマノフ王朝のロシアで、メモリアルエッグをニコライ二世に送った職人が「世紀末の魔術師」だと呼ばれていたことを知っていた。
失われたものを、自分(怪盗キッド)が世紀末の魔術師となり、自分の手に取り戻そうとでもいうのか。
なぜ浦思青蘭(プース・チンラン)はメモリアルエッグを狙ったのか?
ロマノフ王朝時代、作られたメモリアルエッグは全部で50個だとわかっていた。歴史家だった青蘭は、よほどの情熱でエッグを欲しがったのだろう。
自分の先祖がラスプーチンと知り、本来ならラスプーチンがメモリアルエッグをもらうはずだったが暗殺された。そんな彼女は先祖の恨みを晴らすために、自分がメモリアルエッグの第一人者にのし上がろうとしていた。
だが、彼女はただの犯罪者。父が死んだ方法をわざと見ず知らずの人にまで押しつける。それは、いじめを受けたものが、他者にいじめで仕返すことと同じこと。悲しい心の持ち主だったのだ。
彼女ほどの美貌の持ち主なら、どんな世界でもやっていけたろうに。それほどまでに先祖に誇りを持っていたに違いない。
現実世界のラスプーチンもかなりの悪党で知られている。あまりの彼の淫乱な性生活は警官も呆れるほど。しかし彼のイチモツは美術館に展示されているのだそう。
Wikipedia「グリゴリー・ラスプーチンとは?」
香坂喜一はなぜ暗号を「世紀末の魔術師」としたのか?
香坂家に伝わるメモリアルエッグの図面。それこそ鈴木財閥が発見したメモリアルエッグも、その一つだった。香坂夏美の曽祖父、香坂喜一はロシアの財宝を売り、お城を建てた。それは愛するマリアのためだった。
名探偵コナンの中では、ロマノフ王朝でニコライ二世の一族はみんな殺されてしまったが、三女マリアの遺体だけは見つかっていないこととなっている。
実は、香坂喜一がマリアを日本に連れて帰り、マリアは日本で暮らしていた。そう、香坂家の横須賀のお城に。しかしマリアはほどなくして亡くなってしまう。
もともと職人だった香坂喜一は、マリアの遺体を安置するため、お城の地下に眠らせた。だが地下にもカラクリが仕掛けられていた。
香坂喜一は大のカラクリ好き。当時ロマノフ王朝で、ニコライ二世に届けた職人が「世紀末の魔術師」と呼ばれたように、私が世紀末の魔術師と成り代わって家族の思い出(メモリアル)をマリアに届けたのだろう。
ボルシェニック・カンツァーベカ(Волшебник конца века)
だが、メモリアルエッグは光を通して初めて思い出が露わになる。ガラスは見る人によって映し出すものを変える。
ある人は思い出に、ある人には誇りに、ある人には財宝に。
他人の思い出は奪うべきではない。青蘭は人の思い出を羨んだ。栄光に満ちたかったのだろう。しかし羨んだ先には何もない。メモリアルエッグは、香坂喜一とマリアだけのものなのだから。
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