2019年実写化の『東京喰種-トーキョーグール【S】』。物語は前作のつづきとなる。前回は「喰種vs人間」だったのに対し、今作では「喰種と人間の共存」が描かれる。キャラ設定は大きく変わらないが、新たな喰種、月山習(役:松田翔太)の凶変ぶりにも注目。
美食家(グルメ)月山習の変態奇行。
喰種である金木研(役:窪田正孝)は前作「東京喰種-トーキョーグール」の闘いでもっと強くなりたいと思っていた。今回から霧嶋薫香(役:山本舞香)の女優が変更し、二人でさらなる修行を積んでいた。
そこに新たな喰種、月山習(役:松田翔太)が登場する。月山は金木と会うなり、体の匂いからより人間臭さを感じ取り、金木を食べたいと思うようになる。月山は、金木を喰すため、まずは親密になろうとする。
月山は金木をカフェに呼び出し、読書の話で盛り上がった。しかし、金木は本の紙で指を切り、血を流してしまう。月山は金木にハンカチを渡し、血を止めさせた。
月山はハンカチを洗いにゆくといい、トイレで、ハンカチについた金木の血の匂いを何度も嗅いだ。
うああああああ、なんて芳しい香りなんだ・・・・!!!!
美食家としての血がさわぐ月山。松田翔太さんの狂気じみた演技が、この作品のエグさを引き立たせる。
西尾錦(喰種)とその彼女(人間)、霧嶋薫香(喰種)と依子(人間)
第1作目で登場し、初めは金木とヒデをボコボコにした西尾錦だが、本作ではクソ弱い扱いだった。こいつ喰種(グール)なのになんで闘わないんだ?
それは置いといて、西尾錦は彼女がいた。彼女は人間。二人は共存していた。彼女の方は、錦がグールであることを知ったが受け入れた。そんな二人のようにグールと人間が共存するケースも稀にある。だがほとんどは相容れない。
霧嶋薫香にも依子という友達がいた。依子は純粋で薫香しか友達がいない。薫香が昼ごはんを食べないので、心配して弁当を持ってきたりする。
少しうっとおしい友人だが、薫香はそんな依子を傷つけたくない理由で素っ気ない態度をとる。本当は友達でいたいのに・・・
そんな喰種と人間の共存を描いたのが本作だ。
第3作目があるとすれば宗太(新田真剣佑)が絡んでくるに違いない
漫画を元にしているからだろうか、映画は少し長いと感じた。
月山は金木をおびき寄せるため、西尾錦の彼女を誘拐する。それを主人公が助けに行くというシンプルな内容なのだが、間延び感がある。今作では前作で大きく登場した亜門もほとんど登場しない。
亜門ら人間組織がもっと絡んでくれば、より面白くなったかもしれない。
今回は敵が奇行的な敵がひとりだったせいか、敵の強さとしては物足らなかった。もっと主人公が絶望的になるようなストーリーだと、盛り上がるのに。
だが続編がありそうな匂い。物語の途中で、宗太(役:新田真剣佑)が登場する。彼は月山を手のひらで転がしていた。さらに、映画の最後に不敵な笑みを浮かべて終わる。第3作目があるとすれば、宗太が絡んでくるに違いない。