エジプト神話では、天国にいくことを「楽園にいく」と捉えている。
「楽園」では、死後の世界が広がっていて「楽園」に行った者同士で幸せな世界が待っている。
今回は、エジプト神話でも正義とされるタイプの髪を「楽園編」と題して、ルーツを紹介する。
全ての父となる!?太陽神ラー
太陽神ラーは、原子の海「ヌン」から生まれたとされる。
原子・・・とはまた難しい概念だが。
太陽神ラーは、
“大気“の神シュー、”湿気“の神テフヌト、女神バステトの父
と言われている。
全ての物質の元となるものは原子ヌンで、
原子ヌンから太陽神ラーが生まれ、
ラーから、シュー、テフヌト、バステトが生まれた考えられている。
バステトは雌ライオンの姿をしているが、猫にしか見えない。
ラーは頭がハヤブサの姿をしている。
ラーの目は強力で、強い光を放ち、焼き殺すことができる。
『キングオブエジプト』では、ラーは太陽船に一人で乗り、魂を喰らうアメミットを人間界へ入れないようにして描かれる。
太陽神ラーは、ホルスやセトの父とされている。
エジプト神話では、ラーからセクメトと呼ばれる殺戮の女神を、人間界に放つことで人間を滅ぼそうとした話も登場する。
キングオブエジプトでは描かれなかった。
古王国時代では、ピラミッドの建設途上にあり、太陽神ラーを絶対的な神として信仰されていた。
しかし、中王国時代になると、ラー信仰は次第に薄れて、「アメン」と呼ばれる新たな神が信仰されるようになった。
アメンはラーと合体したという考え方もあり、「アメン・ラー」などと呼ばれる。
初めのラーが他の神と合体した例は少なくなく、「アトゥム・ラー」などラーと同化した神は多いとされている。
余談だが、漫画『遊戯王』の中で、ラーの翼神竜をあやつるマリクは、ラーと合体し、業火の炎で焼き尽くしていた。
セトによって殺された偉大な?王オシリス
ラーの子どもであるオシリスは、イシス、ネフティス、セトと兄弟であった。
ラーが王座を退くにあたり、オシリを統治させ、セトを砂漠に追いやったというのが、映画『キングオブエジプト』の設定である。
オシリスは砂漠に追いやられたセトの嫉妬によって、バラバラに殺される。
バラバラに殺されたが、その肉片をアヌビスが拾い集めたことで復活し、冥界の番人として君臨し続ける。
オシリスが冥界で死者をジャッジする。
オシリスは「豊穣神」として信仰され、永遠に豊かにする王として拝された。
死後、楽園に行けるかどうか、など死後の世界に重点をおいたエジプト人からは、非常に重要な存在として扱われ、オシリスが殺されてからホルスが王座につく物語を「オシリス神話」とも読んでいる。
真の王ホルス(ファラオ)
オシリスの息子で、セトを倒したのがホルスだ。
ホルスはラーの息子である説も存在する。
“ホル“は「上にあるもの」という意味があったり、「顔」という意味もあり、人間を象徴する絶対的な王として信仰されたいた。
ホルスは別名を「ファラオ」といい、エジプトに関する物語では「ファラオ」がよく使われている。
『キングオブエジプト』でも『遊戯王』でも「ファラオ」は最後に「セト」を倒す。
この場面にも納得が行くだろう。
ホルスはハヤブサの姿をしており、その左目は「月」、右目は「太陽」の象徴として捉えられた。
ホルスの目は「ウジャトの目」とも言われ、「回復」や「修復」の意味も持っている。
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